雪の日の出来事

雪の日の出来事

カテゴリー:人間関係

大雪の降った日、私は、あるお店で働いていました。

 

その日もお店に嫌なお客様が入ってきました。

 

そのお客様は、いつも不機嫌な顔をしていました。

それだけならまだいいのですが、

ちょっとしたことで切れて怒鳴りだすのです。

 

早く帰ってくれないかなと思いながら

私は、緊張して接客しました。

 

何事もなく接客が終わり。お客様は、店を出て行きました。

 

ところが、お客様は、店の前で、立ったまま、動こうとしません。

タクシーが通るのを待っているようでした。

しかし、こんな大雪では、タクシーどころか普通の車でさえ、

あまり通りません。

 

10分、20分経っても、タクシーは来ません。

歩いた方が早いのではないかと思いながら、

私は、お客様を眺めていました。

 

関わりたくないお客様が店頭に

ずっといるので気が気ではありません。

タクシーが来ないのを私のせいにして

怒り出すのではないかとひやひやしていました。

 

店の前は、雪で埋まっていました。

お客様が立っているので店の外に出るのは

嫌でしたが、雪かきをしないわけにはいきません。

私は、スコップを持って、外に出ました。

 

雪をかきながら、私は、お客様に注意を向けました。

言葉をかけないのも不自然だと思ったので

「寒くないですか」

と私は、尋ねました。

 

「来ないんだよ」

お客さまは、答えました。

「困った、困った」と言うお客様は、

声をかけられたのがどこか嬉しそうでした。

 

結局、お客様は、一時間待って

やっとタクシーを拾い、帰っていきました。

 

次の日から、お客様の様子が変わりました。

「おはようございます」

と言って笑顔で店に入ってくるようになったのです。

 

たった一言声をかけただけで、こちらに対する

態度が変わってしまったのです。

 

びっくりしました。

特にお客様を褒め称えたわけではないのに

人ってちょっとした言葉1つでこんなに変わる

ものなのですね。

 

言葉のもつ影響力を思い知った日でした。

この記事を書いた人

尾田 譲二
尾田 譲二
インターネット黎明期に日本初の漫画合作仲介サイトを起ち上げるが、やりたくてはじめたことなのに事業化の過程で、自分が本当にやりたいことなのが何なのかわからなくなり、長い鬱状態に陥る。2013年に出会ったパッションテストで、情熱を再発見。長い迷路からようやく抜け出し、再起を目指している。

著書に電子書籍「ストーリービルダー」がある
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